道の野の花 * Diary earth39.exblog.jp

カメラを向けて世界を見つめると、大自然の輝きや生命の神秘、美しい光景が見えてくる☆彡


by 道の野の花
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カテゴリ:自由帳( 2 )

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品川プリンスシネマで上映している『セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター』を観てきました!
渋谷のBunkamuraル・シネマでの上映にはタイミングが合わず、今日ようやく観にいくことができました。

セバスチャン・サルガドさんは、”神の眼を持つ人”と称される写真界の巨匠、世界中に大きな影響を与える報道写真家であり、環境保全活動家です。
この映画は、常に地球上を旅しながら撮影を続けているという、セバスチャン・サルガドという一人の人間の真実に迫るドキュメンタリー作品です。
監督は、彼の作品に魅せられた一人でもあるヴィム・ヴェンダースさん(『ベルリン・天使の詩』すばらしい!)。監督を支えるのは、サルガド氏の長男であり映画作家のジュリアーノさんです。

今日は、数々の荘厳で奇蹟的な写真を目にして胸がいっぱいになり、どのように感想を書いたら良いのか言葉になりません。
ただただ、彼が撮影している姿を見て「有無を言わさない”活きた写真”とはこういうことなのだな」と納得させられました。

最も印象に残ったのは、サルガドさんが「報道写真家として戦争や難民など救いようのない社会の深い闇や、人々の悲しみと絶望を撮り続けてきて、ある時自分の魂が病んでしまったと感じた」と、映画の中で語っていた頃の話です。
そして、そのことが、彼の写真家としての人生の大きな転機になりました。

というのも、その時期に彼は、子供時代を過ごした故郷ブラジルの農園と山々の雄大な景色が、干ばつにより木々が枯れて禿山のように変わり果てた現実を知ります。
家族みんなが途方に暮れていたところを、サルガドさんは、奥さんの助言もあって、愛する故郷の美しい自然を再生させるために山々に植樹を始めたのでした。
痩せて禿山のようになった土地には、繰り返し植樹を行ったお陰で少しずつ緑が根を張り蘇り始め、そのことでサルガドさん自身も再び元気を取り戻したといいます。
私はこの映画を観て、そこにとても感動を覚えました。

サルガドさんは、これまでは報道写真家としてポートレートを撮影してきましたが、新たに『GENESIS(起源)』(写真集にもなっている)というプロジェクトを立ち上げ、手つかずの地球の自然や野性の動物の姿などを写真に収めるようになりました。

彼の撮影する写真を観ていると、それがポートレートであれ地球の自然や野性の動物を写した作品であれ、本当に、畏敬の念のようなものを抱かずにはいられません。
”神の眼”と称される通り、彼の写真は観る者を謙虚にさせてしまう、厳しさと力のある写真だと思います。
それは、撮影者であるサルガドさん自身が、写真を撮るということに最も謙虚だからかもしれません。
謙虚さが、彼に真実を写し撮る”神の眼”を与えているのではないでしょうか。
映画の中でも、彼は「ポートレートは相手からもらうもの」だと語っており、それがとても印象的でした。

『地球へのラブレター』というタイトルの通り、「愛に溢れている写真とは、正にこういうことをいうのではないだろうか」と、サルガドさんの写真からは確かに感じられます!(^ー^)

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by earth39 | 2015-10-14 23:50 | 自由帳
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今月10日から渋谷のイメージフォーラムで上映されている『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』(ジョン・マルーフ/監督)を観てきました。

2007年とあるオークションで膨大な量のネガやフィルムが発見され、その作品と存在が死後世にでたという、無名の女性写真家ヴィヴィアン・マイヤーさん。

大柄で、中判の二眼レフカメラ「ローライフレックス」をいつも首に提げてストリートスナップやセルフポートレートを撮影していた彼女は、周囲から風変わりな人物と見られていました。

乳母の仕事をして生計を立てながら撮り続けた写真は、約15万枚(!)に及びます。
この映画は、彼女が住み込みをした家の人々へのインタビューを中心に足跡を辿るドキュメンタリー作品です。

映画から見えてくる彼女の人物像は、乳母として子ども達に愛情を注ぐ一面を持ちながら、心に大きな傷を抱え、近しい人との距離感を掴めないために誤解を受けてしまう、そんな不器用に生きる姿でした。
またお金も家族もなく孤独で社会的な弱者である一方、どんな時でも臆さずに写真を撮り続けることのできる強い女性でもありました。

他の職業と比べて乳母の仕事は自由な時間が多く、子ども達を連れて街中へ出掛けては写真を撮っていました。
時にはジャーナリストのように社会問題について街頭インタビューをして録音してみたり、動画も好んで撮っていたようです。

彼女は自分の写真の良さを理解していたし自信を持っていたのではないか、と言われています。
それなのに生前一枚も公に作品を発表しなかったのは、なぜでしょうか?

帰りは、代官山蔦屋書店に寄ってヴィヴィアン・マイヤーさんの写真集をみました。
近しい人物とは距離感が掴めない彼女も、被写体となる人々との距離感覚はともかく絶妙で、シャッターを切るタイミングや構図の美しさにもハッとさせられます!
セルフポートレート集も、独特の感性や面白みのある楽しい作品ばかりでした♡

イメージフォーラムでは、11月下旬から『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』の上映が始まります。
こちらを観にいくのも、今からとても楽しみです!o(^▽^)o

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by earth39 | 2015-10-11 23:00 | 自由帳